一億総中流はもはや空語なのか




池袋ので死者2人・負傷者8人を出した自動車暴走事故。

運転をしていた高齢男性はいまだに逮捕もされず。

その男性が元高級官僚だったことから、ネットでは「上級国民」という言葉が生まれ、国民の間に「上級国民」という言葉が違和感なく受け入れられるようになりました。

日本にかつて存在した「一億総中流」という言葉は平成から令和になった日本社会では空語に過ぎないのかもしれない。

それでも一億総中流を信じたい

多くの国民は今でも「一億総中流」という言葉を信じたい一方で 「実は自分たちが中間層というのは思い込みで、本当は日本社会は既に上級と下級に分断されていて、その格差は拡大するばかりなんじゃないか」と薄々気づいている人たちも少なくないかもしれません。

残酷な現実

「上級国民/下級国民 やっぱり本当だった」 橘玲著

この本で分析されることは残酷な事実でした。

バブル崩壊後の平成の労働市場が生み落とした多くの「下級国民」たち。彼らを待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命"。一方でそれらを独占するのは少数の「上級国民」たちだ。

正社員として働いていても病気や事故で滑り落ちたらもう這い上がれない。

安定した収入を得たいけど、非正規の職しかつけない。

こういった話をマスメディアから聞かない日はないくらいです。

一度、貧困層に落ちてしまうと抜け出せなくなってしまう。

コミュニティからはずれ、社会的にも孤立してしまう。

結婚したくとも、収入が低ければそもそも土俵にも乗ることができない。

人生のスタートの時点から、本人の努力に関係なく決まってしまうような社会が出来上がりつつある。

この状況は日本だけではない

日本ではバブル崩壊後の労働市場で中間層が下流層に抜け落ちる現象が起きました。

でも、それは日本だけではありません。

先進国で起こっている、世界的な流れです。

「上級/下級」の分断は、日本ばかりではない。アメリカのトランプ大統領選出、イギリスのブレグジット(EU離脱)、フランスの黄色ベスト(ジレジョーヌ)デモなど、欧米社会を揺るがす出来事はどれも「下級国民」による「上級国民」への抗議行動だ。

トランプ大統領の支持基盤は白人貧困層と言われています。

トランプ大統領の当選はアメリカで富を独占している富裕層への強烈なブーイングです。

世界中で起こっているこのような抗議行動は「下級国民による上級国民への抗議行動」ともとれるのです。

世界が総体としてはゆたかになり、ひとびとが全体としては幸福になるのとひきかえに、先進国のマジョリティは「上級国民/下級国民」へと分断されていく──。

これから途上国の国民はグローバル化の影響を受けて全体として豊かになっていきます。

それにともなって今まで豊かだった先進国の国民は豊かさを享受できる層とできない層にはっきりと分かれていってしまいます。

日本経済も内需を支えていた分厚い中流層がごっそり抜け落ちて下流層に転落していき、富裕層と貧困層で二極化していきます。

多くの日本人にとっては不愉快な事実ですが、それが目に見えて感じられてしまうことが多くなってきました。

日本経済は出口の見えないデフレに苦しんでいます。

いくら政府が経済政策を講じてデフレを止めようとしても国民が豊かにならなければデフレは止まりません。

日本経済が縮小しているなかで利益を確保するには、企業は利益を削りあって限られたパイを奪い合うしかないのです。







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