【現代社会を考える本】北野武著「新しい道徳」いいことをすると気持ちがいいのはなぜか




ほんの少し前、書店の書棚でこの本を見つけた。

ビートたけしというとテレビタックルに出ているイメージ。

お笑い芸人、映画監督、俳優などの複数の顔を使い分ける。

自分の役柄によって「北野武」と「ビートたけし」を使い分ける感じだ。

ある意味で不世出の天才と言っても過言ではないかもしれません。

そんな北野武が書いた本。

どんなことを考えているのかとても興味深い。

この本では「道徳」を語ります。

2018年から小学校で道徳の授業が必修になりました。

この流れに違和感を感じる方も多いはずです。

道徳は御上から教えられるものではない。

どちらかといえば、その国の文化という土壌の中で自然に育っているものです。

とりわけ現代は今までの景気拡大の流れからくる物質至上主義の価値観が大きく崩れて、個人の「多様性」が強調される時代となっています。

個人がどこへ向かっていけばいいのか、わからなくなってしまっている人も多いはずです。

今の時代、どう生きるかは自分自身の問題であり、自らが「道徳」を作る必要があります。

世の中で当たり前のように言われている「道徳」に異論を唱え、独特の語り口でその矛盾点を指摘します。

そして物事の本質を的確にとらえて見事なまでにこき下ろします。

以下、引用です。

時間のないせっかちな読者のために、最初に結論を書いておく。結局、いいたいことはひとつなんだから。
「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」

 大人になったら誰にも邪魔されずに一日中思う存分ゲームをするのが将来の夢だと書いても、先生は頭をなでてくれるんだろうか。そんなわけないのは子どもでもわかるから、当たり障りのないことを書く。お年寄りに席を譲ったら感謝されたのがいちばんうれしかった、とかなんとか。嘘をつくなといいながら、嘘をつけと強制しているようなものだ

うっかり夢を語ろうものなら、親に叱られたものだ。「医者になりたいだって? 何いってんだ。お前はバカだし、ウチにはカネがないんだから、なれるわけないじゃないか」「画家になりたい? バカヤロウ! 絵描きで飯が喰えるわけがねえだろ」頭をひっぱたかれて、それで終わりだ。夢なんて追いかけてないで、足下を見ろというわけだ。乱暴だけど、それが庶民の知恵だった

母親にとって、何かを旨いと喜ぶってことは、不味い食い物への感謝を忘れるってことと同じだった。だから、何か喰って「旨い!」なんていうと、「そんな下品なこというもんじゃない」と叱られたのだ

この本を読むと、人として正しいことは何かをあらためて考えさせられます。

書いてあることが痛快でパーッと読めてしまった一冊でした。







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